代謝内科
代謝内科
私たち人間は、毎日の食事で栄養素を摂り入れ、それを利用して体内で必要な糖質、タンパク質、脂肪などを作ったり、あるいはこれらを燃やし、活動するためのエネルギーにしています。これらの一連の営みは「代謝」と呼ばれます。また、代謝には、「ホルモン(内分泌物質)」も密接に関与しています。
代謝内科は、これらの代謝の働きが障害されて生じる病気を扱う診療科です。
該当する主な疾患としては、ダイアベティス(糖尿病)、脂質異常症(高コレステロール血症、高脂血症)、高血圧症、高尿酸血症(痛風)、甲状腺機能異常症などがあります。
別の項で、詳しく記載しています。
高LDL(悪玉)コレステロール血症、高TG(中性脂肪)血症が代表的です。
自覚症状がないため、健診でコレステロールの異常を指摘されても放置しているかたがとても多いですが、そのままだと心筋梗塞などの動脈硬化性疾患を起こすリスクが高くなってしまいます。
遺伝的要因、過食、運動不足、肥満、喫煙、飲酒なども関係しています。
日本高血圧学会では上の血圧である収縮期血圧が140mmHg以上、または下の血圧である拡張期血圧が90mmHg以上を高血圧としています。
基本的に自覚症状はないことが多いですが、放置していると脳卒中や心臓病、腎臓病などの重大な病気を発症する危険性が高まります。
日本人の高血圧の約8~9割が本態性高血圧(ほかに原因のない高血圧)といわれていますが、なかには原発性アルドステロン症などの別の病気の影響で血圧が高くなる二次性高血圧症であることもあります。
高尿酸血症は、血液中の尿酸の濃度が異常に高い状態を指します。尿酸は、プリン体と呼ばれる物質の代謝過程で生成され、通常は腎臓を通じて尿として排出されます。しかし、尿酸の生成が過剰であったり、排泄が不十分であったりすると、血中の尿酸濃度が高くなります。
高尿酸血症そのものには明確な症状はないことが多いですが、尿酸が結晶化して関節に蓄積すると痛風(痛風発作)を引き起こすことがあります。痛風は、典型的には特に足の親指の付け根が赤く腫れ、激しい痛みを伴うことが特徴です。
高尿酸血症が続くと、痛風のほかにも、腎臓の障害を引き起こす可能性があります。
※特に、既に診断がついているかたは、当院でスムーズに対応可能です。甲状腺機能については、当日検査結果がわかります。初診などで詳しい検査が必要な場合は、関西電力病院へとご紹介します。
甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)
甲状腺ホルモンの分泌が過剰になり、代謝が高まる(亢進する)ことで症状が現れます。甲状腺が腫れてホルモン産生が増加するバセドウ病が有名です。
症状としては、異常発汗、手の震え、体重減少、動悸などが現れます。下痢や不安感、怒りっぽくなる、疲労感などの症状が出ることもあります。また、眼球突出などの症状が出ることもあります。多くの場合、まず、薬物療法が行われます。
甲状腺機能低下症(橋本病など)
橋本病は慢性甲状腺炎とも呼ばれる甲状腺機能低下症の代表的な病気です。炎症が生じ、甲状腺が少しずつ破壊されます。全身の代謝が低下するため、寒がり、体重増加、体温低下、だるさ、便秘、高脂血症などが出現します。